膠原病とは
膠原病(こうげんびょう)とは、ひとつの病気の名前ではなく、自己免疫反応の異常によって起こる病気の総称です。通常免疫力は外部の病原菌や異常な細胞に対してのみ働きますが、なんらかの原因によってその免疫細胞が自分自身の身体を攻撃してしまいます。その結果、全身に分布する結合組織を中心に炎症が起こり、身体に病気が現れます。主に女性のほうが発症しやすいことが分かっており、疾患にもよりますが、10~70代まで幅広いことが特徴です。
膠原病は原因が特定されておらず、治療が困難かつ長期間に及ぶため指定難病に認定されている膠原病疾患が多く、公費補助対象疾患となっています。
軽症の場合は公費補助対象外となることもあります。
難病指定されている膠原病ですが、多くの膠原病で診断法・治療法の開発が進められている中で、特に関節リウマチの治療法は著しく進歩しており、適切な治療を行えばごく普通の生活を営めるほどになっています。しかしその一方で、他の自己免疫疾患との合併症や悪性腫瘍などを併発することがあるため、できるだけ早く診断することが大切です。
膠原病に含まれる病気
膠原病でよく知られている病気はリウマチですが、以下の病気を含む30以上という非常に多くの病気が膠原病に含まれます。
- 関節リウマチ
- シェーグレン症候群
- 全身性強皮症
- 全身性エリテマトーデス(SLE)
- ベーチェット病
- 多発性筋炎
- 混合性結合組織病
- 皮膚筋炎/多発性筋炎
- 結節性動脈周囲炎(他血管炎)
- スティル病
- 抗リン脂質抗体症候群
など。
症状
膠原病の特徴的な症状は病気によって異なりますが、
- 発熱
- 倦怠感
- 紅斑などの皮疹
- 関節の腫れ・痛み・こわばり
- 眼症状(ドライアイ、ぶどう膜炎など)
- リンパの腫れ
- 口腔症状(口内炎など)
- しびれ
- レイノー現象(手や指の変色)
など膠原病以外でも見られる症状が初期症状であることが多く、膠原病とは気付かれずに経過して重症化することもあります。そのため、上記の症状が持続するようであれば受診をおすすめします。
原因
膠原病は原因不明の疾患と言われていますが、自分の免疫システムによって自分自身の臓器を攻撃してしまう「自己免疫疾患」であり、遺伝的な要因とウイルス感染、ストレスなどの環境要因が複雑に絡み合って、自己に対する免疫機能が異常となり発症すると考えられています。
検査
診察によって膠原病が疑われる場合、血液検査、尿検査、胸部X線写真などによるレントゲン検査を行います。
膠原病は全身の病気のため確定診断には様々な検査が必要になります。
治療
まずはどの病気なのかを診断する必要があります。その次に、病気の程度、障害されている臓器などを判定してそれぞれに合った治療方針を立てていきます。膠原病の多くは炎症と免疫を抑えることを目的に治療を行います。
薬物療法
ステロイドや免疫抑制剤などを用いて治療するため、治療には副作用の管理を十分にすることが必要です。
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膠原病・リウマチの診療は、内科(水曜 9:00~12:00 最終受付、予約制)で行います。また、膠原病は全身に症状が出る可能性のある病気のため、各診療科と連携しながら治療をしていきます。
膠原病・リウマチの診断には多くの検査が必要で、症状の内容把握には時間が必要です。そのため、膠原病・リウマチの患者さまは紹介状の持参をお願いいたします。