胃炎とは
胃の内側にある粘膜の炎症で、急に発症する「急性胃炎」、長期間にわたって胃炎が続く状態の「慢性胃炎」に分けられます。場合によっては、胃炎がきっかけで潰瘍になり、胃癌のリスクを高める可能性があります。ですが、それほど重症化するケースは珍しく、治療により改善するケースが大半です。
急性胃炎
急性胃炎は、胃の安静を保つことで自然に症状が消失しることが多いです。症状の程度に合わせて、点滴や制酸薬、胃粘膜保護薬などの薬剤を使用することもあります。
慢性胃炎
ピロリ菌が胃の中に棲みついてしまうことで少しずつ胃粘膜を痛めつけて、何十年にもわたって徐々に炎症が広がっていくことで起こります。治療をしても、正常な胃粘膜に戻ることはあまり期待できません。また、ピロリ菌が原因による「胃がんの発生」にも注意をする必要があります。
慢性胃炎の主な原因であるピロリ菌を除菌することで、潰瘍や胃がんのリスクは低減されます。
早期胃がんは健康診断によるバリウムのみでの発見は困難とされています。要再検査の通知が届いた場合は必ず受診をして胃カメラによる検査を行いましょう。
症状
急性胃炎で見られる症状
急性胃炎の発症としては
- みぞおち辺りの痛み
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢
などがみられます。急性胃炎の症状は、安静にすることで数日のうちに改善することが期待できますが、胃炎の兆候と症状が1週間以上続く場合は必ず医師に相談してください。
慢性胃炎で見られる症状
慢性胃炎の症状としては
- みぞおち辺りの痛み
- 食欲不振
などがみられます。胃炎は必ずしも徴候や症状を引き起こすとは限りません。症状がない場合でも健康診断や人間ドッグなどで異常を指摘されることもあります。
原因
急性胃炎の主な原因
急性胃炎の原因は
- 刺激物の暴飲暴食
- 細菌感染による食中毒
- 鎮痛剤の副作用
- ストレス
- 過度の喫煙
- 過度の飲酒
などさまざまあります。また、牛乳や卵、青魚などのアレルギーでも急性胃炎を起こすこともあります。
慢性胃炎の主な原因
慢性胃炎は、胃に繰り返し刺激が加わることによって引き起こされ、その主な原因はピロリ菌とされています。
治療
まずは、胃炎の原因を取り除くことが大切です。急性胃炎の場合は、症状を感じたら胃の安静を保つため、半日~1日(1~2食)絶食したほうがよい場合もありますが、スポーツドリンクなどで水分を十分に補給するようにしてください。また、原因の一つもともされている刺激の多い食品は避けるようにしましょう。
慢性胃炎の場合は、胃粘膜の状態に応じて治療を行います。胃酸を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬なども処方することもありますが、ピロリ菌の除菌が有効な手段です。
ただし、除菌をしたからといってがんリスクが0%になるわけではないので、定期的な内視鏡検査が必要になってきます。
療養生活で心がけること
消化の良い食事
消化不良を感じた場合、消化の悪いものを避け、白身魚・おかゆ・うどん・卵・スープなど、消化の良い食材をよく噛んで食べるようにしてください。
刺激物を避ける
胃を刺激する食品、特に辛いもの、すっぱいもの、揚げもの、脂質の多いものは避けるようにしましょうそのほかにも、アルコールやコーヒーなども胃の粘膜を刺激することがあるので、しばらくは控えたほうが良いです。