股関節鏡手術(こかんせつきょうしゅじゅつ)は、股関節の痛みや動きにくさを改善するために行う手術方法です。この手術は、皮膚に小さな穴を開けて細いカメラ(関節鏡)を挿入し、股関節内の状態を確認しながら治療するものです。従来は股関節の中を見るためには大きく皮膚を切る必要がありましたが、関節鏡を使うことで、大きな切開をせずに内部を治療できることが特徴です。
股関節鏡手術が行われる主な症状
以下のような症状がある場合に、股関節鏡手術が適用されることが多いです。
- 股関節の痛みや違和感が続く
- 動かしたときに引っかかるような感じがある
- スポーツや日常生活での動作に制限がある
- 他院で軟骨は大丈夫だが、関節唇(かんせつしん)が痛んでいるとわれた
股関節鏡手術が効果的な方
- 関節の軟骨はいたんでいないが、関節唇がいたんでいる方
- 股関節の骨同士がぶつかって痛みが出るFemoroacetabular impingement (FAI「大腿骨寛骨臼衝突症候群」)と言われている状態の方
- その他股関節にばい菌が入った方や、子供のときに生じた骨折の後遺症がある方など
上記のような方が股関節鏡手術によって痛みや動かしにくさが改善する可能性があります。
これらは専門的な医師の診断が必要になります。当院では股関節鏡治療を行うことができる専門の医師がおりますのでお気軽にご相談ください。治療の流れとしては、まずリハビリや股関節内注射などを行い、それでも改善がない場合に手術を考慮します。治療方針については医師と相談しながら決めていきます。
手術の方法と流れ
- 麻酔:手術中の痛みを感じないように全身麻酔や下半身麻酔を行います。
- 股関節鏡手術:関節鏡という小型カメラを股関節に挿入し、関節内をモニターで確認しながら手術を進めます。必要に応じて、関節の中で引っかかっている骨をけずったり、損傷した部分を修復したりします。
- リハビリ:術後に股関節に特化したリハビリを行います。入院期間は個人差がありますが、およそ2週間程度です。