胃・十二指腸潰瘍とは
胃・十二指腸潰瘍とは、胃・十二指腸の組織が剥がれ落ち、胃の内面や小腸の上部に傷ができる状態をいいます。消化を行う胃液が、胃・十二指腸の組織までも溶かしてしまうことがあり、消化性潰瘍とも呼ばれています。
症状
一般的には下記のような症状がみられます。
- 胃の痛み
- 胸やけ
- 吐き気
その中でも最も多い症状が「みぞおち付近の痛み」で、特に空腹時に痛みを悪化させます。牡蠣やわかめ、昆布などアルカリ性のカルシウムを含み胃酸を抑える食品や、胃酸を抑える薬で痛みを緩和させることができますが、再発する可能性が高く、症状を放置しておくことは危険です。
また、胃・十二指腸潰瘍の4分の3の人が自覚症状がないといわれているほか、潰瘍が進行している場合、
- 嘔吐または吐血
- 黒っぽい血が混ざった便(タール便)
- 体重の減少
- 食欲の変化
などの症状を引き起こすことがあります。
原因
かつて、胃・十二指腸潰瘍はストレスが原因と言われていました。しかし、近年ではピロリ菌感染と鎮痛剤の定期的な服用が原因であることが判明されてきました。
治療
胃・十二指腸潰瘍の治療においては、胃酸分泌を抑制、胃の粘膜を増加、組織修復の促進などを目的とした薬物療法が行われます。
ただし、ピロリ菌に感染している場合はピロリ菌を除菌し、再発を予防します。ピロリ菌治療に成功すると、以後は薬を飲み続ける必要はなくなります。
予防
ピロリ菌感染から身を守る
ピロリ菌感染の主な原因はわかっていませんが、ピロリ菌は10歳くらいまでに感染し、日本人の約50%が感染しています。日常生活では頻繁に石けんで手を洗ったり、十分に加熱された食べ物を食べたりすることによって感染を予防することが期待できます。
鎮痛剤の使用法を守る
鎮痛薬を定期的に服用しなければいけない場合は、できるだけ服用量を減らしたり、アルコールと一緒に服用することを避けるなどして、リスクを減らすように心がけましょう。