子宮がんについて
子宮がんには、子宮の入り口付近に発生することが多い「子宮頸がん」と、子宮の奥の部分(体部)に発生する「子宮体がん(子宮内膜がん)」があります。
子宮頸がんは、性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因と言われています。また、喫煙者はリスクが高くなる傾向があります。30~40歳代で多く診断されていますが、近年は低年齢化が進み、20代で発症する方も増えてきています。
一方で子宮体がんは、未産、不規則な月経、排卵異常、肥満、高血圧、糖尿病、乳がん、大腸がん等があるとリスクが高くなる傾向があり、50~60歳代で多く診断されています。
子宮がん検査の再検査・精密検査について
子宮がん(頸部・体部)の検査で異常が見つかった場合は、精密検査が必要になります。
- 子宮頸部では異常の程度に応じて腟部・頸管などのヒトパピローマウイルス検査、コルポスコープ診、子宮頸部組織検査
- 子宮体部では子宮体部組織診検査
を行い、異常所見となった部位をより詳細に検査します。
当院における再検査・精密検査の流れ
当院にて子宮(頸部・体部)検査の再検査・精密検査をする場合の流れは下記のとおりです。
- 結果報告書または精密検査依頼書が届きます。
- 婦人科の予約をお願いいたします。
午前中は窓口が大変混雑していますので、お電話での予約受付は月~金曜13:00~17:00、土曜10:00~12:00でお受けしています。なお、婦人科はWebからの予約も可能です。
注意事項
- 検査結果、医師が記入する2次精検結果記入用紙(ある方のみ)の書面は必ずお持ちください。
- 検査予約は、生理日をできるだけ避けてください。
- 重症度を考慮して検査を行うため、順番が前後する場合があります。
検査内容について
検査結果によって検査内容は異なりますが、各検査の内容は以下の通りです。
細胞診検査
子宮の出口付近、または子宮体部の粘膜から細胞を採取し、顕微鏡で細胞が正常かどうかを検査します。
ヒトパピローマウイル(HPV)検査
子宮頸がん発生に関わるウイルスに感染しているおそれがあるときに検査します。
コルポスコープ診
コルポスコープという拡大鏡のような検査機器で検査を行います。肉眼では見ることができない病変を発見することができます。
組織検査
子宮頸がんの場合、コルポスコープ診で異常が疑われる部分から組織を採取して病理組織診断を行なう検査です。子宮体がんの場合は子宮内膜組織診または子宮内膜全面掻爬を行います。どちらも多少の痛みを伴います。また、子宮内膜全面掻爬は麻酔をしてを行います。
よくあるご質問
ヒトパピローマウイルス(HPV)とはなんですか?
性交渉の経験がある女性であれば約半数以上の方が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。感染しても抵抗力でウイルスが自然に排除されますが、感染したウイルスの種類や場所によって排除されない状態が続くことで、子宮頸がん発生のきっかけになることが分かっています。
子宮がん検診が「要精密検査」だったのですが、がんなのか心配です。
子宮がん検診の目的は「がん」の発見ではなく「前がん状態」の早期発見です。したがって要精密検査であっても大部分は異形成(がんに進む可能性が通常より高い状態)です。異形成の段階で発見し、簡単な方法で治療することで、がんの発症を未然に防ぎます。いずれにせよ、早期発見が大切ですので、要精密検査の結果が出たら、早めに受診することが大切です。
検査をするにあたって気をつけることはありますか?
組織を採取する際に少量の出血を伴う場合があります。検査を受けた日は性交、激しい運動、飲酒は控えてください。