当院で行う薬物療法
乳がんの術前や術後の治療をどのように行うかは、乳がんの性質によって異なります。
乳がんの性質は、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)に反応して増殖するもの、HER2(ハーツ)蛋白に反応して増殖するもの、どれにも関係なく増殖するものがあります。これらの性質から乳がんは5つに分類されており、乳がんのタイプによって薬物療法の内容を決定します。
乳がんの分類
- ルミナルAタイプ:女性ホルモンに反応する、増殖の遅いタイプ
- ルミナルB HER2陰性タイプ:女性ホルモンに反応する、増殖の早いタイプ
- ルミナルHER2タイプ:女性ホルモンにもHER2蛋白にも反応して増殖するタイプ
- HER2 タイプ:HER2蛋白に反応して増殖するタイプ
- トリプルネガティブタイプ:どれにも関係なく増殖するタイプ
乳がんの種類 | 女性ホルモンに対する反応性 | HER2タンパクの量 | がんの増える速さ | 治療法 |
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ルミナルAタイプ | 陽性(あり) | 陰性 | 遅い | ホルモン剤のみ |
ルミナルB (HER2陰性)タイプ | 陽性(あり) | 陰性 | 速い | 抗がん剤+ホルモン剤 |
ルミナルB (HER2陽性)タイプ | 陽性(あり) | 陽性 | ー | 抗がん剤+抗HER2療法+ ホルモン剤 |
HER2タイプ | 陰性(なし) | 陽性 | ー | 抗がん剤+抗HER2療法 |
トリプルネガティブタイプ | 陰性(なし) | 陰性 | ー | 抗がん剤 |
早期乳がんに対する術後療法(アジュバンド療法)
ただし、年齢、心機能、腎機能、肝機能など患者さまの背景が異なるため、すべてが同一の治療ではありません。