当科の概要・特色
当院のリハビリテーションには、理学療法(PT)・作業療法(OT)・言語療法(ST)の3種類があります。通院できない患者さまに対しては、訪問リハビリを行ったり、自宅退院を希望する患者さまに対して、ホームプログラムの指導・介護指導・家屋改造指導を行っています。補装具・日常生活用具などの指導・紹介もしています。お気軽にご相談ください。
富山西総合病院では、心臓リハ、呼吸リハ、がんリハ、整形外科・スポーツリハ、女性疾患リハ、脳卒中リハなど発症直後の急性期からの疾患に特化したリハビリテーションを行います。
富山西リハビリテーション病院では、急性期治療を終えた患者さまに対して、在宅復帰や職場復帰を目指して集中的に多職種チームでの365日のリハビリテーションを行っています。また、自動車運転練習、ロボットリハ、電気刺激治療、ボトックス後の痙縮リハなど特色ある取り組みも行っています。
地域で在宅患者さまに対しては、医療外来リハなども提供しています。また、地域の公民館などでの体操教室など予防リハにも取り組んでいます。
症状と対象疾患
リハビリテーション科では、下記のような症状と対象疾患を扱っています。
- 脳卒中
- 頭部外傷
- 神経筋疾患
- 脊髄損傷
- 骨関節疾患
- 慢性呼吸器疾患に伴う運動麻痺
- 筋力低下
- 失語症
- 嚥下障害
- 高次脳機能障害
など
当院で行うリハビリテーション
リハビリテーション科では、下記のようなリハビリテーションを提供しています。
呼吸器リハビリテーション
肺炎や肺気腫などで呼吸機能が低下し日常生活に何らかの支障をきたすようになった患者さまに対して、残された肺の機能や呼吸筋を最大限に使い、呼吸法(口すぼめ呼吸や腹式呼吸など)指導、リラクゼーション、呼吸筋トレーニング、呼吸筋ストレッチ体操、排痰法、上肢・下肢筋力トレーニング、日常生活動作の指導などを患者さまに合わせて指導します。息切れ(呼吸困難感)を軽減させ、運動能力の向上、日常生活動作能力の向上、精神状態の緩和を図り、患者さまのQOL(Quality of life=生活の質)を向上させることが目的です。2007年に発表されたACCP/ACVRPR等、欧米のガイドラインにおいても、COPDの運動療法はエビデンスAと推奨され、特に下肢の運動・筋力トレーニングが有用とされています。
心臓リハビリテーション
心臓病の患者さまが1日でも早く快適な社会生活や家庭生活に戻り、さらに再発を予防することを目的に運動療法・食事療法・健康相談(実生活状況)など包括的に行うことをいいます。リハビリの効果としては日常生活が楽になる・コレステロールが減り、善玉コレステロール増加・狭心症発作や心不全症状が軽減する・心臓病の再発予防や突然死のリスクが減ることにつながります。
2004年、ExTraMATCHでは運動療法が心不全患者の予後(生命予後延長)を改善する。2011年には心筋梗塞後の運動療法は2次予防に有用。近年、様々な研究に置いても運動療法による効果は実績をあげています。
CPX(運動負荷試験)
心臓だけではなく、肺や運動に使われる筋肉の状態などを総合的にみて運動耐容能(体力)を評価する検査です。耐容能を知る事で不安な無く、生活や趣味活動、仕事ができると思います。
がんのリハビリテーション
- 外科・乳腺外科術後のリハビリテーション
- 抗がん剤治療・放射線治療のリハビリテーション
- 緩和のリハビリテーション
抗がん剤治療、放射線治療、手術後の治療の安静が続くことにより筋力や体力の低下、また乳がん・子宮がん術後に起こる手足のリンパ浮腫、がんに伴う様々な症状によって日常生活は支障をきたします。がん療養におけるリハビリテーションは、そのような患者さまの回復力を高め、残っている能力を最大限に生かし、今までの生活を取り戻す事を支援し、生活の質QOL(Quality of life=生活の質)を大切にする考え方に基づいて行われます。また、緩和期においては人生の最期まで悔いのない生活を送る為の支援をさせて頂きます。
患者さまが少しでも穏やかに楽に安全に日常生活を過ごすことができますように。
高次脳機能障害に対するリハビリテーション
“分からない。こんな障害きいたことない”「高次脳機能障害」と診断されてはじめてこの障害を知り、戸惑われる方は少なくありません。脳卒中や事故などで脳がダメージを受けた結果、引き起こされる障害です。見た目にはわかりません。だからこそ、一層周りの理解が得られず、ご本人、ご家族は辛い思いをされます。それぞれ障害された機能の改善を目指すとともに、ご本人やご家族の抱えている悩みや不安の代弁者にもなれるよう努めます。
失語症に対するリハビリテーション
脳卒中などで脳の言語中枢が傷つくことで起こる障害です。話したいことばが思い出せない、といっただけでなく、周りの人の話すことばが理解できない、文字を読んでも意味がわからない、書けない、計算できないといった症状が見られます。当院では患者さまと二人三脚で言語機能そのものの回復を目指すとともに、コミュニケーションを図りたいという気持ちを大切にし、ジェスチュアなどあらゆる手段を活用できるよう練習していきます。
摂食嚥下障害に対するリハビリテーション
食べる機能は加齢による影響を受けやすい能力です。年をとってむせやすくなった、痰が増えてきたといった様子が見られたら、この障害が疑われます。その他にも脳卒中後の麻痺の影響で食べることが難しくなる場合もあります。当院では北陸初の嚥下CTも導入し、客観的な評価を行っい、患者さまの状態や問題点を正確にお伝えしています。また機能改善に向け、積極的にアプローチし「口から食べる楽しみ」を持ち続けていただけるよう努めています。
最新機器を使ったリハビリテーション
主に脳卒中発症後で自力歩行可能な方の更なる歩行能力改善を目的に最新のロボットリハビリを提供しています。重症な脳卒中患者さまには天井吊り下げ式の免荷歩行機器や最新の装具・機器を用いた運動療法や物理療法を提供しています。
地域への貢献
「痛み」「ロコモティブシンドローム」「認知症」などのテーマで、地域の公民館に出向き講習を行っています。『住み慣れた地域で、自分らしくいきいきと!』過ごせるような、体操や話題を取り入れながら、予防リハビリに取り組んでいます。