外来受診
検査方法について

(安静時)心電図

胸、手首、足首に電極(胸は吸盤(またはシール)6個、両手首・両足首に大きなクリップのようなもの)を装着して心臓の筋肉の収縮にともなって発生する微量の電流をグラフに表します。心電図では、狭心症や心筋梗塞、不整脈(脈の乱れや脈がとぶなど)、心臓肥大などがわかります。

検査所要時間:1~3分

注意事項

  • 胸・手首・足首を出しやすい服装でご来院ください。
  • 時計や貴金属をはずす必要はありません。

負荷心電図(トレッドミル、マスター負荷心電図、歩行負荷心電図など)

安静時心電図では異常がみられないが、運動をして心臓に負担をかけると不整脈や、異常波形が現れることがあります。心臓に負荷を与えて潜在する疾患を見出す方法です。

トレッドミル

電動式で動くベルトコンベアーの上を歩行し、その間にどんな症状が起こるか、あるいは心電図や血圧にどんな変化が起こるかを診る検査です。心臓病(主に虚血性心疾患)の診断とその重症度の判定、心機能の評価、治療効果や予後の判定、運動誘発不整脈の診断などのために行われます。

検査所要時間:30分程度

やり方

  1. 胸部に10個の電極を付け、腕に血圧計を巻き安静時心電図を記録します。
  2. 心電図、血圧、血中酸素飽和度を測定しながらベルトコンベアーの上を歩いていただきます。ベルトは3分毎に速度と傾斜が増していきます。坂道を早歩きで歩く感じです。胸痛や圧迫感など胸の症状がでたり、疲労感・息切れ・足の疲れなど運動を続けることができなくなるまで歩いていただきます。また、年齢に応じた予測心拍数に達すると運動量十分とみなし負荷を終了したり、血圧や心電図変化がみられると終了することもあります。
  3. 負荷後、椅子に座り数分間心電図を記録します。

注意事項

  • 患者さまには機器を装着して汗をかく程度まで運動を行っていただくため、運動しやすい服装やタオル、運動靴をご持参ください。
  • 足の悪い方、膝の関節に痛みがある方は事前にお申し出ください。
  • 検査中に胸が痛くなったり苦しくなった場合はお早めにお申し出ください。
  • 検査は医師・看護師・検査技師が立ち会います。検査前に「不安なこと」「体調がすぐれない」「足が痛い」などがありましたらお申し出ください。

心肺運動負荷試験(CPX検査)

心電図、血圧、呼気中の酸素、二酸化炭素を計測しながら運動(少しずつペダルが重くなる自転車こぎ)をしていただき、心臓・肺・筋肉の状態等を総合的に見て運動耐容能(体力)を評価します。この検査で予後判定や重症度を評価します。また、CPX検査を行い運動処方を作成することで、安全(心臓に負担をかけず)に、長時間(乳酸が溜まらず疲れにくい)、効果的な運動療法を行うことができます。

検査所要時間:30~50分程度

注意事項

  • 患者さまには機器を装着して汗をかく程度まで運動を行っていただくため、 運動しやすい服装やタオル、運動靴をご持参ください。
  • 正確なデータをとるため、検査前2時間以内の飲食、喫煙、激しい運動は控えてください。(空腹は避けてください)
  • 常用薬は服薬してください(他院でのお薬はお薬手帳または薬をご持参ください)
  • 検査は医師・看護師・検査技師が立ち会います。検査前に「不安なこと」「体調がすぐれない」「足が痛い」などがありましたらお申し出ください。

マスター負荷心電図

やり方

  1. 安静時心電図を記録します。
  2. 検査用二段階の階段を患者さまの年齢・性別・体重によって定められた回数をリズムに合わせて昇降していただきます。昇降時間は45秒(1/2シングル)、90秒(シングル)、3分(ダブル)、4分30秒(トリプル)とあり、患者さまの状態により医師が選択します。
  3. 負荷後に数分間心電図を記録して波形変化の有無を確認します。

検査所要時間:10~15分程度

注意事項

  • 胸・手首・足首を出しやすい服装でお越しください。
  • 足の悪い方、膝の関節に痛みがある方は事前にお申し出ください。
  • 検査中に胸が痛くなったり苦しくなった場合はお早めにお申し出ください。

24時間ホルター心電図

電極(5個)を胸に貼り、小型心電図記録装置を腰に24時間装着して、長時間の心電図を連続記録します。狭心症など短時間の心電図では捉えられない異常波形や不整脈の診断に有用です。機器の装着中、簡単な行動記録(食事・薬・寝る・起きるなど)や自覚症状があった時間を記入していただきます。

機器装着所要時間:15分程度

注意事項

  • 翌日、機器をはずすためご来院が必要です。
  • なるべく通常通りにお過ごしください。
  • シャワーや入浴ができない場合があります。
  • 電気毛布や電気カーペットの使用は避けてください。
  • 機器に衝撃をあたえたり、コードを引っ張らないようご注意ください。

24時間血圧測定検査

血圧測定装置を装着して30分ごとに血圧を測定することで24時間の日内変動を調べます。
開始の2回は基礎測定のため加圧が強くなります。1時間後から患者さまに合わせた加圧となり30分ごとに24時間測定します。

機器とりつけ時間:15分程度

装着時間:25~26時間

注意事項

  • 運転中に加圧が始まると危険ですので加圧の時間は運転をお控えください。

呼吸機能検査

息切れする、呼吸が苦しい、咳が出る、痰が出るなど、肺の病気が考えられる時に行います。手術のときの麻酔法の選択の時にも利用されます。

やり方

クリップで鼻をつまみ、口で呼吸していただきます。機械に接続された筒をくわえた状態で、検査担当者の掛け声に合わせて息を吸ったり吐いたりしていただきます。最大限に息を吸ったり、吐いたりの呼吸を必要としますので患者さまの協力が不可欠な検査です。

検査所要時間:5~10分

気道可逆性試験

喘息など気道の狭窄(狭くなる)がないかの診断と重症度を調べるための検査です。通常の呼吸機能検査を行い、薬剤を吸入していただきます。30~60分の時間をおいてから呼吸機能検査を行います。吸入の前後の値で結果を評価します。

脳波

脳から出る微弱な電位をとらえることにより、てんかんや脳機能障害などの情報が得られます。

やり方

脳波キャップをかぶっていただき、キャップに開いている20箇所の穴に液状糊を注入します。このとき抵抗を下げるため頭皮を擦るので少し痛みを伴います(個人差あり)。

仰向けになり、眼を閉じ安静にして検査します。こちらの指示に従って時々眼を開けていただきます。また、患者さまの状態で可能な場合は光刺激(目の前で光をフラッシュさせる)や、過呼吸(3分間、大きく吸ったり吐いたりする)をしていただきます。

検査所要時間:40~60分

注意事項

  • 頭は前日または当日に洗髪して髪は乾いた状態でお越しください。
  • ヘアムースやワックスなどの整髪剤はつけないでください。
  • ヘアピンやゴムは、はずしていただきます。
  • 検査で使用する糊のようなものが髪・頭皮につき、少しべたつきますので帰宅後に洗髪してください。

神経伝導速度検査

手や足の神経が正常に機能しているか調べる検査です。手足の皮膚の上から神経を電気で刺激して、その刺激の伝わる速さを見ます。電気刺激をするために少し痛みを伴う検査ですが、体に害のあるものではありません。糖尿病性の神経障害や手根管症候群などの神経障害の診断や評価に役立ちます。      

検査所要時間:30~60分

注意事項

  • ペースメーカーがある方は検査を受けることができません。
  • 検査当日は、ゆったりした服装でお越しください。肘上や膝上まで腕や足を出していただきます。

超音波(エコー)検査

体の表面から人の耳には聞こえない超音波を当て、体内の組織にぶつかってはね返ってきたエコー(こだま)を画像に映し出す検査で、エコー検査とも呼びます。痛みはほとんどありません。非侵襲性のため、繰り返し行うことができる検査です。

<心エコー、頸動脈エコー、下肢血管エコー、腹部エコー、甲状腺エコーなど>

心エコー

胸部にゼリー状のものをつけて超音波を当て、心臓の様子を観察します。心臓の形・大きさ・動き、心臓の弁の動きと形態、血液の逆流や速さ、心臓の周りに異常な液体が溜まっていないか等を観察します。心筋梗塞や心臓肥大、弁膜症、先天性心疾患などがわかります。

検査所要時間:20~30分

注意事項

  • 胸を出しやすいゆったりした服装でお越しください。
  • 服にゼリーがつく場合があります。
  • 食事の制限はありません。

頚動脈エコー

首にゼリー状のものをつけて超音波を当て、首の左右にある頚動脈の様子を見る検査です。頚動脈は脳に血液を送る重要な動脈です。動脈硬化の評価や脳梗塞の原因となる血栓(詰まり)の存在などについて調べます。

検査所要時間:20~30分

注意事項

  • 襟元の開いた服装でお越しください。
  • 食事の制限はありません。

下肢血管エコー

足にゼリー状のものをつけて超音波を当て、血管の様子を見る検査です。下肢動脈の場合は動脈硬化や閉塞(詰まり)の有無、静脈の場合は静脈瘤(血管がこぶ状になる)の評価や血栓の有無を調べます。

検査所要時間:30~40分

注意事項

  • ゆったりしたズボンやスカートでお越しください。
  • 観察範囲が足全体の場合は、ズボンを脱いでいただきます。
  • 食事の制限はありません。

腹部エコー

腹部にゼリー状のものをつけて超音波を当て、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、大血管などを見る検査です。それぞれの臓器の疾患の有無を調べることができます。

検査所要時間:10~30分

注意事項

  • おなかを出しやすいゆったりした服装でお越しください。
  • 下腹部観察の場合は、ズボンを少し下げていただきます。
  • 検査中は深呼吸や軽い息止め、体位変換をしていただきます。
  • 検査の精度をあげるために食事の制限があります。午前の検査では朝食を、午後の検査では昼食を抜いていただきます。但し、少量の水の摂取は構いません。
  • 糖尿病の方や服薬が必要な方は主治医にご相談ください。
  • 膀胱に十分な尿が貯留しているほうが検査が容易なので、なるべく検査直前の排尿はお控えください。

ABI/CAVI(動脈硬化検査)

ベッドの上で仰向けになり、両腕と両足首に血圧計の帯(カフ)、心電図の電極、心音マイクを装着し、約10分間安静にしてから両腕、両足首4箇所同時に血圧を測定します。ABIは下肢動脈の狭窄(狭くなっている)や閉塞(詰まる)が無いか、CAVIは血管の硬さを調べます。血管年齢もわかります。

検査所要時間:15分

注意事項

  • 厚手の服は脱いで、薄着で検査します。
  • 血圧が関係しますので、緊張せずリラックスしてください。

尿素呼気試験

ヘリコバクター・ピロリの検査法のひとつ。薬剤(H・ピロリ感染診断用剤:ユービット1錠)を飲む前後に出した呼気バック中の、呼気中13CO2の濃度の差により判定します。

除菌の効果判定に有用です。

検査所要時間:約25分

注意事項

  • 検査は原則空腹時で行うため、午前の場合は朝食、午後の場合は昼食を抜いてください。
  • 検査開始前30分以内にたばこを吸わないでください。
  • 除菌後の効果判定の場合は除菌薬を服用後4週間以上経ってから行います。
  • 服用中の薬によっては偽陰性が生じるため当日検査を行えない場合があります。

尿素呼気試験の実施手順

  1. 呼気を採取
  2. 検査薬を飲む
  3. 5分間左側臥位
  4. その後15分間座位
  5. 検査薬服用20分後の呼気を採取
  6. 呼気中13CO2測定

睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査 

睡眠時無呼吸過眠症候群(SAS)とは睡眠中に繰り返し呼吸が止まったり、浅くなったりして体が低酸素状態になり、日中傾眠など種々の症状を呈する疾患です。
主な症状は、日中の眠気や倦怠感、起床時の頭痛、夜間頻尿などですが睡眠時無呼吸過眠症候群は高血圧や脳血管障害、心臓病、糖尿病などさまざまな疾患との合併が報告されています。
睡眠時無呼吸過眠症候群(SAS)の診断には簡易検査と脳波を含めた精密検査ポリソムノグラフィー(PSG)があります。

簡易検査

指先と鼻にセンサーをつけて、眠っている間の呼吸と血液中の酸素濃度を調べます。
ご自宅に機器を持ち帰り装着していただきます。2晩装着して、データがよりよく記録されているほうを採用します。検査後は病院に機器を返却しに来院していただきます。
貸出・返却の日程調整が困難な場合は、検査センターから機器をご自宅に郵送して検査後に宅配便で返却することも可能です(検査は1晩のみ)

ポリソムノグラフィー(PSG)

指先、鼻、頭(額)、胸部・腹部、顎などにセンサーをつけて検査を行います。
無呼吸・低呼吸以外に睡眠の深さや閉塞性無呼吸と中枢性無呼吸の鑑別も評価できます。
検査は1泊入院します。夕方に機器を装着しますが装着後も部屋内は自由に移動できます。
翌朝、装置をはずして退院となります。

聴力検査

標準純音聴力検査

難聴の有無や程度を調べる検査です。
防音室でヘッドホンを使い、低音から高音まで異なる周波数の音を聴いていただき、どの程度音が聞こえるかを調べます。

骨導聴力検査

耳の後ろに骨導受話器を当て、骨を通して音の振動を内耳に伝え、聴力を測定します。

語音聴力検査

日常会話で使われる音を聴いていただき、どの程度正確に聞き取れるかを調べます。
補聴器の調整のために行われる検査です。

検体検査室で施行している検査

ここでは生化学検査、免疫検査、血液学検査、輸血検査、一般検査を行っています。また外部制度管理(日本医師会臨床検査制度管理調査、富山県臨床検査制度管理調査)に積極的に参加し、質の高い検査をめざしています。

検査所要時間

院内実施項目については、検体が検査室に届いてから、感染症、甲状腺は約1時間、血沈は2時間、その他の項目は、約30分で結果報告を行います。輸血検査及び髄液一般検査は、随時結果報告を行います。外来患者さまが混み合う時間帯は、報告時間の遅延する場合があります。ご了承ください。

院内実施項目

生化学項目

TP、アルブミン、AST、ALT、LDH、ALP、AMY、CK、CK-MB、Na、K、Cl、BUN、CRE、UA、総ビリルビン、直接ビリルビン、LAP、CHE、γ-GTP、TG、血糖、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、Ca、リン、HbA1c、CRP、24CCr

血液学的検査

血算、血液像※血液像は分析装置で測定後、異常値フラグが立った場合(形態異常や、基準値を一定以上 外れた場合)、院外施設において目視検査を行います。

凝固検査

PT(秒、%活性、INR)、APTT、フィブリノーゲン、Dダイマー

感染症項目

HBs抗原、HCV抗体(3rd)、梅毒TP抗体、梅毒STS法、SARS-CoV-2Ag(コロナ抗原定量)

腫瘍関連検査項目 

癌胎児性抗原(CEA)、α-フェトプロテイン定量、CA19-9、前立腺特異抗原(PSA)

内分泌検査項目

ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)

甲状腺検査

TSH、F-T3、F-T4

輸血検査

血液型(ABO、Rh)、直接クームス、間接クームス、交差適合試験

尿検査

尿一般定性、尿沈さ、尿蛋白定量、尿中肺炎球菌抗原検査、尿中レジオネラ抗原検査、妊娠反応、尿糖定量

その他項目

血液ガス分析、血沈、トロポニンT定性、H-FABP定性、髄液一般検査、便中ヒトヘモグロビン、プロカルシトニン

  • その他の検査項目は検査センターで実施いたします。

輸血部門

輸血部は臨床検査科に併設され、輸血血液製剤、自己血、アルブミン製剤等を一元管理しています。輸血部では輸血血液製剤の発注から出庫までの作業、交差試験、副作用の管理、輸血歴管理、輸血療法に関する情報提供など輸血業務全般に亘る業務を一括して行っています。また、定期的に輸血療法委員会を開催し使用状況や副作用の報告、血液製剤やアルブミン製剤の適正使用管理、問題点の改善、安全な輸血を目指した業務の見直しを行います。輸血部では安全な輸血療法を患者さまに提供できるよう日々努めています。