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股関節の痛み

股関節の痛みについて

股関節の痛みは、日常生活や運動時に負担がかかる部位であるため、多くの要因で生じる可能性があります。主な原因には、変形性股関節症大腿骨頭壊死症のような関節自体の問題、関節リウマチなどの炎症性疾患、筋肉や靭帯の損傷、または骨折や脱臼といった外傷があります。また、寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)などの先天的な異常も要因となる場合があります。
症状としては、股関節部の痛みや腫れ、可動域の制限、歩行時の違和感や不安定感が挙げられます。痛みの強さや持続時間は疾患の種類や進行状況によって異なり、放置すると症状が悪化することもあります。
診断と治療には専門医の評価が重要であり、適切な診断と早期の治療が症状の改善には不可欠です。

股関節に痛みや違和感を感じた場合は、整形外科を受診することをおすすめします。

股関節の痛みを伴う病気の一例

  • 変形性股関節症 (加齢や体重増加により軟骨の摩耗が起こり、骨同士が直接接触することで痛みが生じる)
  • 大腿骨頭壊症 (自己免疫疾患やステロイド投与、飲酒などにより血流低下が起こり、大腿骨頭の一部が壊死して陥没することで痛みが生じる)
  • 寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)(先天的な骨格異常や胎児期・乳児期の姿勢により、大腿骨頭を受ける骨盤のくぼみが浅く股関節が不安定になる。加齢による筋力低下や体重増加で軟骨がすり減ることで変形性股関節症に進行する可能性が高い)
  • 関節リウマチ (自己免疫疾患による炎症が起こり、慢性的な痛みや腫れを伴う)
  • 関節唇損傷 (スポーツや事故などにより、大腿骨頭を受ける骨盤のくぼみに沿った線維性軟骨組織「股関節唇」が損傷し、痛みが生じる)
  • 感染性関節炎 (細菌感染による関節炎が起こり、痛みや熱感を伴う)
  • 股関節周囲の筋肉・腱の炎症 (半側に負荷が偏るスポーツや力仕事等の継続で生じる筋肉のアンバランスと筋肉疲労により炎症が起こり痛みが生じる)
  • 骨盤の歪み( 姿勢のくせや生活習慣による骨盤の歪みが進行し、痛みが生じる)

検査と診断

これらの検査を組み合わせることで、股関節の痛みの原因を特定し、適切な治療方針を決定します。

問診と視診

医師が症状の詳細や痛みの発生状況を確認し、関節部の外観や動きの異常を観察します。

触診

医師が痛みが生じている部分の周辺を触って腫れや熱感、痛みが生じている部位を特定します。

徒手検査

医師が患者さまの状態を見ながら股関節を動かし、痛みや異常を確認するテストです。
股関節の可動域や不安定感、異常音の有無などを調べます。

画像検査

レントゲン

骨の異常や股関節の隙間の消失が起きていないかなどを確認します。
変形性股関節症の確定診断に必要な検査です。

MRI

レントゲンでは判別できない軟部組織(靭帯、関節唇、軟骨など)の損傷や炎症を詳細に把握します。
大腿骨頭壊死や股関節唇損傷の有無などを確認できます。

CT

骨の異常が疑われる場合に、骨の立体的な画像を得るために行う場合があります。
骨盤の形状や、骨折の評価などに用います。
小さな骨折や骨片の位置関係を高精度で把握することができます。

血液検査

関節リウマチなどの炎症性疾患や細菌感染が疑われる場合、疾患の種類を特定する目的で行うことがあります。

どの検査を行うかは、医師による問診・視診・触診・徒手検査を経て、痛みの特徴や炎症の有無などを確認し、決定します。

受診のめやす

  • 痛みが2週間以上続いている ( 慢性的な痛みは、関節炎や軟骨損傷の可能性があります)
  • 痛みが徐々に強くなっている ( 症状の進行が見られる場合は早期の治療開始が重要です)
  • 歩行時に脚に力が入らない、突然力が抜ける(大腿骨頭壊死や変形性股関節症の可能性があります)
  • 安静時にも痛みがある( 炎症や感染症が原因である可能性があります)
  • 脚を引きずるようにして歩く (股関節の機能障害が進行している可能性があります)
  • 痛みのほかに発熱や腫れがある (感染性関節炎などの緊急性の高い疾患が疑われます)
  • 脚の付け根の詰まり感や違和感が続いている(変形性股関節症の初期症状である場合があります)

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