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スポーツで生じる股関節の痛み

スポーツで生じる股関節の痛み

股関節の痛みは、スポーツとも密接に関係しています。
特にサッカーやダンス、バレエ、陸上競技など、股関節をよく動かす競技で発生しやすくなります。
これらは繰り返しの動作や無理な姿勢によって過度なストレスがかかることが原因です。また、柔軟性や筋力のアンバランス、体幹の弱さも痛みを引き起こす要因となります。
痛みを放置するとパフォーマンスの低下だけでなく、将来的な関節障害にもつながるため、予防と早期の対応が重要です。
正しいフォームの習得、股関節周囲の筋力トレーニング、柔軟性の維持が予防の鍵となります。
また、股関節につまりやひかっかりといった違和感がある場合は、専門医による診断や早期治療開始で悪化を防ぐことが大切です。

スポーツ中に股関節の痛みや違和感を感じた場合は、適切な休息をとり、早期に整形外科を受診することをおすすめします。

股関節が関係するスポーツ障害

  • FAI 大腿骨寛骨臼インピンジメント (骨の形の異常により股関節の可動域が制限され、軟骨や関節唇が損傷される)
  • 関節唇損傷 (股関節の関節唇が裂けて、痛みやクリック音、可動域制限を引き起こす)
  • グロインペイン症候群(そけい部に慢性的な痛みが生じる。筋腱、関節、恥骨結合など複数の要因が関係する)
  • 滑液包炎 (股関節周囲の滑液包が炎症を起こし、圧痛や動作時の痛みが生じる)
  • 大腿骨頸部疲労骨折 (繰り返しのストレスにより、骨の微細な損傷が蓄積して起こる骨折)
  • 弾発股 スナッピングヒップ (股関節周囲の筋肉や腱が骨に引っかかることによってスナップ音や痛みが生じる)

検査と診断

これらの検査を組み合わせることで、股関節の痛みの原因を特定し、適切な治療方針を決定します。

問診と視診

医師が症状の詳細や痛みの発生状況を確認し、関節部の外観や動きの異常を観察します。

触診

医師が痛みが生じている部分の周辺を触って腫れや熱感、痛みが生じている部位を特定します。

徒手検査

医師が患者さまの状態を見ながら股関節を動かし、痛みや異常を確認するテストです。
股関節の可動域やクリックの有無などを調べます。

画像検査

レントゲン

骨の異常や股関節の隙間の消失が起きていないかなどを確認します。
変形性股関節症の確定診断に必要な検査です。

MRI

レントゲンでは判別できない軟部組織(靭帯、関節唇、軟骨など)の損傷や炎症を詳細に把握します。
大腿骨頭壊死や股関節唇損傷の有無などを確認できます。

CT

骨の異常が疑われる場合に、骨の立体的な画像を得るために行う場合があります。
骨盤の形状や、骨折の評価などに用います。
小さな骨折や骨片の位置関係を高精度で把握することができます。

血液検査

炎症性疾患や細菌感染が疑われる場合、疾患の種類を特定する目的で行うことがあります。

どの検査を行うかは、医師による問診・視診・触診・徒手検査を経て、痛みの特徴や炎症の有無などを確認し、決定します。

受診のめやす

  • 痛みが数日~1週間以上続いている ( 安静にしても改善しない、ストレッチやセルフケアで軽減しない)
  • 歩行や走行に支障がある ( 体重をかけると強い痛みがある、日常動作が困難)
  • 引っかかりや音がする(動かすたびに音が鳴り、違和感や痛みを伴う)
  • 可動域が明らかに狭くなった( 開脚・曲げ伸ばしなどが以前よりやりにくい、痛みで動作が制限される)
  • 急激な痛みや腫れ、熱感がある (急性の損傷や感染などの可能性があります)
  • 過去に同様の痛みを繰り返している (慢性化や構造的な問題(FAIや関節唇損傷など)の疑いがあります)

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