【医療とDX】これからの医療を支える、変えていくDX
これからの医療を支える、変えていくDX(デジタルトランスフォーメーション)
医療界でも、少子高齢化、人材不足、若者の都市部への流入が大きな課題となっており、その影響は年々大きくなっています。これらの課題に対応するため、私たち藤聖会グループでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって質の高い医療やケアを提供できるよう取り組んでいます。
私たちが考える医療DXの目的とは
DXと聞くとシステムや最新機器の導入などのイメージが先行しがちです。しかし、藤聖会グループが考える医療DXの目的は、さまざまな機器やソフト、システムを使用したDXにより効率化・合理化を進め、限られた「時間」を少しでも多く患者さまのために使い、より深く、より親身になって関わることです。
つまり、「ヒト」にしかできない、心のこもった医療やケア、環境を充実させることが医療DXの真の目的と考えています。
DX取り組み事例
外来
短時間でより正確な情報収集
富山西総合病院の内科では、タブレットを使ったAI問診(Ubie; ユビー)を行っています。AIが診断精度を高める質問を実施するため短時間で正確な情報収集ができ、さらに患者さまの回答をもとに病気の検査や診断のサポートも行っています。
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お問い合わせへの迅速、正確な対応
お電話でのお問い合わせやご相談に対して、迅速、正確に対応できるようCTI(Computer Telephony Integration)システムを導入しています。電子カルテに登録されている患者さまの名前や予約状況などの情報が瞬時に表示されることで、的確な対応や関連部署へのスムーズな引継ぎにつながっています。
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遠隔地からの情報収集と治療の実施
遠隔地(患者さまの自宅など)から検査データを収集し、治療につなげる取り組みも行っています。例えば、近年社会的問題にもなっている睡眠時無呼吸症候群への治療CPAP(専用機器を装着して空気を鼻に送り、睡眠中の気道を広げる治療)では、装着時のデータを病院からモニターし、なおかつ電子カルテに集約することで治療に役立てています。
予防からの支援
健診受診者のなかで保健指導を希望された方には、専用アプリを使用した生活改善への支援を行っています。アプリを入れたスマートフォンなどの端末に体重や血圧、歩数、脈拍等を日々記録していただき、当院でもデータをモニタリングします。測定器によってはデータがアプリに自動送信されるものもあります。
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入院
見守る支援 その①
病棟では、入院患者さま一人ひとりに応じた支援ができるように取り組んでおり、その一つが見守り支援システム「眠りスキャン」です。おやすみ中の呼吸や心拍、睡眠状態、離床の検知など、ベッドでの状態を24時間リアルタイムでモニタリングできるため、患者さまの状態変化をいち早く把握し、迅速な対応が可能です。
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見守る支援 その②
この数年のコロナ禍に柔軟に対応するため、コロナ専用病棟では患者さまの状態を24時間モニタリングできる「見守りカメラ」を設置しています。防護服の着用が必要ない場所からでも患者さまの状態を確認することができ、感染拡大リスクの軽減にも役立っています。
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手術時の支援
施術件数が増加している人工股関節置換術では、一人ひとりにあわせた人工股関節の設置場所や骨を切る角度などを3Dシミュレーションによって事前に算出しています。さらに、人工膝関節置換術においては、手術支援ロボットロザ・ニー(ROSA Knee)も稼働しており、医師の支援にも役立っています。
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藤聖会グループの医療・介護施設ではグループ全体としてDXを活用し、迅速、的確、効率的な医療を提供します
藤聖会グループでは、医療分野のデジタル化草創期より、DXに取り組んできました。
電子カルテにより、患者さまの予約、診療、検査、処置、手術、投薬、会計等の情報を一括管理しています。患者さまの待ち時間を減らし、グループ共通電子カルテによりどの医療機関を利用されても即座に患者さまの情報を確認することができ、重複する検査を省いたり、投薬を正確に確認することも可能です。いつでも、どこでも、正確な医療を受けることができる体制を整えています。
私たちの医療DXに対する取り組みにも終わりはありません。必要性、多様性、専門性、技術力は日々進歩し、変化しています。医療DXの真の目的である、患者さまに寄り添い、心のこもった医療を提供できるように取り組んでまいります。業務の効率化、合理化はスタッフに「ゆとりの時間」をつくることができるという面も併せもっています。
「働き方改革」を推進し、より質の高い医療、働きやすい職場環境をはぐくむために、医療DXを活用していきます。
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理事長 藤井 久丈