心筋梗塞とは、心臓に酸素や栄養を送っている血管(冠動脈)が閉塞することで、心筋が壊死に陥りはじめ、不整脈や心不全など非常に危険な機能障害が起こりやすい状態のことです。重症の場合は死に至ることがあります。
同じ虚血性心臓疾患の狭心症では冠動脈の内径が狭くはなっているものの、わずかに血流がありますが、心筋梗塞では冠動脈がふさがり、血流が途絶えた状態のため、症状も狭心症より重篤で危険性に関しても心筋梗塞のほうが高いと言えます。
発症する性別に関しては、男性のほうが女性の倍以上発症しており、発症年齢のピークは男性が60歳代、女性は70歳代となっています。高年齢化に伴い、発症数も増加傾向にあります。
治療方法はかつてより劇的に改善していますが、一刻も早い治療が必要となります。激しい胸の痛みや圧迫されるような苦しさがある場合は、発作を我慢せずにすぐ119番に連絡をして救急車を呼んでください。
心筋梗塞の症状としては、
などの狭心症の症状に加え、
が現れ、狭心症とは異なり30分以上症状が持続します。
心筋梗塞は主に動脈硬化が進行することによる粥腫(じゅくしゅ)の破綻が原因とされています。破綻した部分と血液が触れ合うことで、血のかたまり(血栓)が形成されていきます。この血栓が大きくなり血管がふさがってしまい、血液の流れが塞き止められると心筋に血液が届かないようになり、心筋の壊死を引き起こします。
心筋梗塞の効果的な予防策は生活習慣の改善です。以下の項目を実施することでリスク軽減に役立ちます。
喫煙は血管を収縮させるとともに、動脈硬化を進行させる恐れがあるので、禁煙を心がけましょう。
肉やバター、卵などのコレステロールや脂肪分の高いものを摂りすぎると、動脈硬化が進行しやすくなります。また、塩分の過剰摂取や過度の飲酒もよくありませんので、バランスの良い食生活を心がけましょう。
運動不足は肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病の要因です。適度な運動をすることによってコレステロール、血圧、血糖値を下げる効果があります。ウォーキングだけでも十分ですので、1週間に3,4日は30分程度の運動をするようにしましょう。
ストレスは交感神経を緊張させ、血液中のコレステロールの増加や血管収縮を招き、動脈硬化を促進させます。ストレスの原因が明確であればできる限り要因となるものを避けるなどするほか、リラックスできる方法や環境を見つけ、ストレスを軽減させましょう。
心筋梗塞の場合は一刻の猶予も許さないため、緊急での心臓カテーテル検査を行い診断します。
薬物によって胸の痛みのコントロール、心筋の保護、抗血栓治療などの初期治療を行い、下記の療法などによって一刻も早く血管の詰まりを取り除く必要があります。
一刻も早く血流を再開させるとともに心筋の壊死をくい止めるため、カテーテル治療によって閉塞した冠動脈を再び開通させます。
最新鋭の機器を導入 当院では、最新鋭の血管造影システム「Trinias MiX」を導入しています。従来に比べX線照射量を増加せずに画像のノイズを50%低減でき、治療の安全性向上や治療時間短縮による低被ばく化が期待できます。 |
カテーテル治療が困難な場合や、閉塞されている部分がカテーテル治療に向かない場合は、冠動脈バイパス術を行います。冠動脈の狭くなったり閉塞したりした部分より先の部分にバイパスをつなぎ、血液の流れをよくするための手術です。
心筋梗塞を起こすと、心臓の機能が低下しているので社会復帰までにある程度の時間を要します。運動療法・生活習慣の改善など一人ひとりに適したプログラムを実施することで、社会復帰を目指すと同時に再発を防ぐ心臓リハビリテーションを行います。
内科・外科との連携を密に行い、迅速な検査・治療・手術を行っています。また、循環器専門医も在籍していますので、専門的な診断・治療による質の高い医療を提供します。
診療科によって休診の場合があります。事前に診療担当表をご確認ください。
ご予約のお問合せは10:00以降(乳腺外科、婦人科、眼科は月~金曜13:00以降、土曜10:00以降)にお願いいたします。
■「婦人科、乳腺外科、小児科、形成外科」は初めての方でもWebから予約ができます。
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