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ヘルパンギーナについて

医療・健康情報,小児科2020.06.10

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナは、乳幼児に多く発生する急性ウイルス性咽頭炎の一つで、子どもがかかりやすい「夏風邪」の代表格です。例年6月から8月頃にかけて流行します。感染すると症状が長引いたり重症化しやすい傾向にあるため、感染した子どもと接する人は注意が必要です。

症状

潜伏期間は2〜5日で、主に以下の症状が現れます。

  • 発熱(38~40度の高熱)
  • 咽喉の痛み
  • 咽喉の奥の水ぶくれ

上記以外に頭痛や腹痛、嘔吐、熱性けいれんのほか、まれに髄膜炎や急性心筋炎など重度の合併症を起こすこともあります。また、咽喉の奥に1~2mmの小さな水ぶくれが複数発生し、破れると浅い潰瘍となり痛みを伴います。この痛みによって、脱水症状や食欲不振が引き起こされる場合があるので、できるだけこまめに水分補給を行いましょう。

代表的な夏風邪の種類と違い

一般的な症状 発熱 発疹・水泡
手足口病
  • 手のひら・足の裏や甲・口の中に発疹が現れる
  • 約1/3に発熱が見られる
38℃以下のことが多く1~2日程度で解熱する 手足口
ヘルパンギーナ
  • 急な発熱
  • 喉の奥に小さな口内炎が多数できる
38~40℃の高熱が2~3日程度続く 喉の奥
咽頭結膜熱
(プール熱)
  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 結膜炎(目の痛みやかゆみ、充血など)
  • 腹痛・下痢 など
38~40℃の高熱が5日間ほど続くことがある 出ない

原因

ヘルパンギーナの主な原因はエンテロウイルス属の「コクサッキーウイルス」です。このウイルスには複数の型があるので、1年の間に何度もかかってしまうことも珍しくありません。感染経路は接触感染、飛沫感染、経口感染で、感染者の唾液や鼻水が付着したおもちゃを共有することなどでも感染のおそれがあります。また、感染後症状が治まっても2~4週間ほど便からウイルスが排出されることがあるので、おむつの交換後などは注意が必要です。

診療科・治療

治療

ヘルパンギーナを発症させるウイルスに対する抗ウイルス剤はないため、症状を和らげる対症療法が治療の中心となります。具体的には解熱剤や喉の痛みを和らげる薬を服用したり、脱水を防ぐため、経口補水液によるこまめな水分補給などで治るのを待ちます。
また、喉の痛みで水分や食事が摂りづらくなることもありますが、豆腐や冷たいスープ、ゼリーなど喉への負担が少ない食べ物での栄養補給を心掛けましょう。

診療科

小児科は、一般診療・乳児健診・予防接種は初めての方でもインターネット予約が可能です。

小児科
診療担当表

予防

ヘルパンギーナには予防のためのワクチンがないため、こまめなうがいや手洗いが感染予防の基本です。また、便からも感染するので、排泄後の手洗い・手指消毒を子どもに指導したり、成人も感染しないようにオムツ交換や汚物の処理の際は適切な処理を行うよう心がけましょう。また、タオル、食器、おもちゃなどの共有は避け、感染している子どもが使用したおもちゃなどは念入りに洗浄と消毒を行うことが大切です。

関連ページ

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解説した医師

三浦 正義
【小児科】

 

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