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医療・健康情報

膝関節障害と人工膝関節について

医療・健康情報,整形外科2024.01.20

膝関節の障害について

膝の関節は、大腿骨と脛骨、膝蓋骨から構成される関節で、関節の表面にはクッションの役割を果たす軟骨が存在します。軟骨には神経が通わないので、軟骨がある状態ではそれほど痛みを感じることはありませんが、軟骨が加齢などの原因によってすり減り骨同士が直接ぶつかり合うことで痛みを感じるようになり、膝関節の障害が現れてきます。

症状

初期の段階では、

  • 何となく動かしにくい。
  • 立ち上がり、歩きはじめなど動作開始時に痛みが出る。
  • 膝がこわばる

などといった症状が現れますが、軟骨はいったんすり減ってしまうと自然に再生することができないので、腫れや痛みがひどくなることもあります。症状が悪化すると、

  • 歩行中、常に痛みがある。
  • 膝の曲げ伸ばしが困難で歩行に支障をきたす。
  • 安静にしていても痛みが我慢できない。

といった状態になるおそれがあります。初期の段階では関節まわりの筋肉を鍛える運動療法や投薬による薬物療法などの保存療法で痛みを軽減することができますが、保存療法を継続しても痛みが改善できず、日常生活を送ることが困難な場合は手術を検討します。

膝関節症に関連する病気

症状によっては人工膝関節の手術を検討する病気の一例です。症状が悪化して日常生活に支障をきたす前に受診をすることが大切です。

変形性膝関節症

加齢とともに軟骨がすり減って生じる関節症で、男性よりも女性が多いとされています。また、

関節リウマチ

間接内に存在する滑膜という組織が異常増殖することで関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、そのままにしておくと関節が変形してしまう病気です。

大腿骨顆部壊死

大腿骨への血流が悪くなり、大腿骨の内側の荷重部(内顆)にある骨組織の一部が壊死することによって発症し、膝関節の内側に痛みが生じます。

診療科

膝関節症の診療は、整形外科で行います。
年だから仕方がないと思ってしまいがちな膝の痛みですが、放っておくと症状は悪化することが多いので、早めの相談を心がけてください。

診療科

治療

膝関節障害の治療は、まず保存療法で様子をみるのが基本とされており、保存療法で効果がみられない場合、手術を検討します。軽度な場合には、保存療法でほとんど症状は軽快しますが、しばらくの間保存治療を行っても膝の痛みが改善せず、日常生活に支障をきたす場合は手術を検討します。

保存療法

減量やひざの負担を減らすための生活指導のほか、消炎鎮痛剤で痛みや炎症を抑える薬物療法、ヒアルロン酸の関節内注射、関節まわりの筋肉を鍛えるための理学療法やサポーター、足底板などを用いる装具療法などを、それぞれの症状に応じて行います。

手術

手術には内視鏡を用いて行う関節鏡視下手術や骨切り術、人工関節置換術といった方法があり、症状の状態や患者さんの年齢、生活環境など様々な面からふさわしいものを検討していきます。

人工膝関節置換術について

軟骨がすり減り、傷んだ関節を人工物でできた関節に置き換える手術で、激しい膝の痛みに悩まされている方にとっては有効な手段です。手術療法を選択した場合、手術前に、一人ひとりに合わせた人工関節の設置場所や骨を切る角度などを綿密に計画し、手術を行います。また、当院では、手術支援ロボット「ROSA Knee(ロザ・ニー)」の数値化技術の活用を進めています。これにより、より安定した手術が行えるだけでなく、手術精度の向上によって、術後の感染症リスクの低減など、患者さんの負担も大きく軽減することができます。

解説した医師

西田 英司
【整形外科】

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